「未来がないから」ときみが言った

「前の会社の同期同士で結婚する子って結構いますけど。一体どうするんだろう?って思うんですよ」

もと関係会社の彼女がまた電話をくれたのは、25日の22時過ぎだった。ぼくは社内レクチャーが終ったあと、Oくんなんかとペッパーランチを食べて帰ってきた時で、ちょうど座った時に電話が光って出れたのは幸運だった

彼女は2月から、必ず月1回、電話をくれるようになった。ずっと前一緒に仕事をしてた時みたいに、彼女が今日したこと、いま彼女が思ってることなんかを話してくれる電話。『今日は仕事で2時間くらい電車に乗るところまで行ったから。T大学って知ってます?地方だけど教員養成で有名な大学なんだけど...』と、彼女は昔より少しゆっくりになった気がする話し方で喋り出す。仕事が充実してるのが言いたいようで、でも「1時間半くらいは寝るよね」と言いだす可愛さは変らない

僕らの話が彼女のもとの会社の6月からの環境の話になった時、彼女は最初の感想を口にした。『これからこっちの業界は沈んでいく一方なのにね』「そうでしょう?○○さん(ぼくのこと)は大丈夫だと思うけど、わたしの同期の結婚する相手の子なんて、別にデキる訳じゃないんだし。仕事がずっとあるとは思えない』

ぼくへのお世辞を忘れずにきみは入れたけど。きみが関係会社で全社トップの成績を出しながら、僕等のいた業界に「未来がない」と言って辞めたのが、3年半くらい前だったか
ぼくはまだこの業界にしがみついてるけど、きみが言う通りだってことは僕ら皆があの時以上に感じてる。
「おフロ入ってくる。旦那からも電話かかってきてるし」 30分くらい話してからきみが通話を打ち切るのもいつも通りで、ぼくは元気で、としか言えない

「もうわたしのこと憶えてる人いないですよね?(僕等が前いた)あの地方、また行ってみようかな。配属の時泊ったあのホテル、また泊りたい」

僕等はお互いにどっちからも会いたいと言わないのですね。 未来がないからか

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by blanche-bateau | 2017-05-28 23:00 | Comments(0)