あと2日後に、ぼくはもと関係会社の彼女に写真を送る約束をしたけれど、彼女は憶えてるだろうか

今月も2回、彼女から電話がかかってきた
一度めは、ぼくがまだ得意先のレセプションをしていた時で、月中(つきなか)の木曜日の夜10時。二度めはそれから数日後の、日曜日の夕方の6時過ぎ

両方とも、「旦那が帰ってこないから腹たってる」という惚気(のろけ)た文句を彼女が喋る内容で、木曜日は電車に乗ってる時も『もう降りた?』というメールが何度も来たから結局ぼくがかけ直して、零時を過ぎても30分くらい話してた
日曜は『さっき1時間半くらい二人で足裏マッサージ行ったけど、会社から電話があってまた行っちゃった。わたしお腹空いたからもうご飯食べちゃった。だから晩ごはんは作らないけどいいよね?』みたいな内容。

写真を送るタイミング、どうして月末なの?と彼女に不思議そうに訊かれた時、ぼくはつい正直に、「それ5年前の今月末の日付だから」と答えてしまってサプライズをなくしちゃったけど。
あの日あの時、僕等は何を話していたんだろう?

写真の場所は僕等が攻略に頑張った外勤先の近くにあった、きみがお気に入りだったイタリアレストラン。薄暮の店内で、きみはピースして笑ってた

ぼくは写真に「あの時きっと話してただろうこと」を書くべきかな。あれからもう5年。

あの時、紫陽花は咲いていただろうか。きみは『懐かしい』ってもう閉店したあの店を惜しんだけど、いまのきみに5年前はどれくらい遠い記憶なんだろう

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# by blanche-bateau | 2017-06-25 23:15 | Comments(0)

「前の会社の同期同士で結婚する子って結構いますけど。一体どうするんだろう?って思うんですよ」

もと関係会社の彼女がまた電話をくれたのは、25日の22時過ぎだった。ぼくは社内レクチャーが終ったあと、Oくんなんかとペッパーランチを食べて帰ってきた時で、ちょうど座った時に電話が光って出れたのは幸運だった

彼女は2月から、必ず月1回、電話をくれるようになった。ずっと前一緒に仕事をしてた時みたいに、彼女が今日したこと、いま彼女が思ってることなんかを話してくれる電話。『今日は仕事で2時間くらい電車に乗るところまで行ったから。T大学って知ってます?地方だけど教員養成で有名な大学なんだけど...』と、彼女は昔より少しゆっくりになった気がする話し方で喋り出す。仕事が充実してるのが言いたいようで、でも「1時間半くらいは寝るよね」と言いだす可愛さは変らない

僕らの話が彼女のもとの会社の6月からの環境の話になった時、彼女は最初の感想を口にした。『これからこっちの業界は沈んでいく一方なのにね』「そうでしょう?○○さん(ぼくのこと)は大丈夫だと思うけど、わたしの同期の結婚する相手の子なんて、別にデキる訳じゃないんだし。仕事がずっとあるとは思えない』

ぼくへのお世辞を忘れずにきみは入れたけど。きみが関係会社で全社トップの成績を出しながら、僕等のいた業界に「未来がない」と言って辞めたのが、3年半くらい前だったか
ぼくはまだこの業界にしがみついてるけど、きみが言う通りだってことは僕ら皆があの時以上に感じてる。
「おフロ入ってくる。旦那からも電話かかってきてるし」 30分くらい話してからきみが通話を打ち切るのもいつも通りで、ぼくは元気で、としか言えない

「もうわたしのこと憶えてる人いないですよね?(僕等が前いた)あの地方、また行ってみようかな。配属の時泊ったあのホテル、また泊りたい」

僕等はお互いにどっちからも会いたいと言わないのですね。 未来がないからか

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# by blanche-bateau | 2017-05-28 23:00 | Comments(0)

お元気ですか? …わかります? 懐かしいその声に身が竦(すく)んだ

約1年半ぶりだった。携帯に元関係会社の彼女の名前が表示された時、彼女は間違ってかけている、すぐ鳴り止む、と一瞬考えて、手が竦(すく)んだ

話したのはそれからたぶん20分ちょっとだろう。驚きはコトバにできない

まず、彼女は去年の11月に結婚していた。彼氏は?と訊ねたぼくに『これでももう既婚者だし』と確か答えてた気もするけど
驚きではっきり憶えてない。大学の先輩の知り合いだったか同級生だったかで超真面目、だったろうか

そして彼女はこんなわたしでもグループリーダーになったから、人を育てるってことも面白いなと思っているとたった3年で昇進したことを告げ
ただ4月から違うグループに異動願を出してるから、そのプレゼンをする時の話と写真が欲しいから電話を、とこの事態の理由を言った

僕等のいた業界のことを知りたい、今の彼女なら仕事柄いくらでも分るけど現場を知りたいから、といきなり電話をかけてきた彼女の度胸に無邪気さと、懐かしさに、今年の11月が結婚式なんだと隠さず教えてくれた彼女の変らないドすっぴんな明るさに、思い出が殺到しかけるけど

あの頃はもう夢のように、もう何もかも変わっている

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# by blanche-bateau | 2017-02-11 00:10 | Comments(0)

深夜の電話 (再々度)

『今日、無性にそこが懐かしくなって、東京出たくなった』
ほぼ毎日かかってくるようになった電話の向こう側で、元関係会社の彼女はそう言った

『ちょっと待ってね』『ちょっと待ってね』何度もそう言いながらごそごそと音がしてるのは、布団にもぐり込んで寝ながら喋ろうと思って準備してたんだろう

『だって東京って人多いし、やっぱり大変だったけど楽しかったから、そこは』
25日が最終出社日だったから、と彼女はここを離れて丸1年が経ったことを分っていた

付き合い出して半月で毎週末は全部会って泊ってたから半同棲みたいだった、と彼女が言ってたカレシの男は、19日にたったの2ヶ月で彼女に切られた。何度も『信じられない』と言っていて、きっと納得するまで時間がかかると思うんだ、と彼女が言う

また来週の日、月に彼氏候補の3人を面接してくると言っていた。容姿端麗な女の子の性格は、東京へ行っても全く変わらない

40分後、彼女が言う『眠くなった。切る。おやすみ』「おやすみ、また」

本当に彼女はこの街にまた来るのかな 来て欲しい また会いたい

〈写真は北川加奈さん。本文とは関係ありません〉
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# by blanche-bateau | 2014-10-30 02:24 | Comments(0)

いつもの彼女、出現。

急転直下とはこういう事だ!というくらい、先週一週間の時間をかけて、着々といつも通りの彼女が現れた。 カレシは昨日、突然LINEで知らされてた

12日の日曜から昨日日付が変わった夜中だったからもう今日か、『あ、寝てた?やっぱりもう無理だって、気持ちに区切りつきました』ていう電話をもらうまで、毎日毎日電話で話したけど

その間彼女は着々と情報収集し、いつもの彼女に戻っていくようだった。ぼくもその活動に及ばずながら手を貸したし、手を貸した人は他にもいる。つまり、いつでも彼女の思い通りに男はたくさんいるということだ

9月から彼女と毎週末は全部会っていて、金曜日夜ごはんして、土日もずっと会ってたような会ったことも話したこともないカレシの、『夢のような』というコトバでは表しきれない生活は、もうすぐ何の前ぶれもなく終る

間もなく彼女は全速力で離れていくだろう。致命的だったのは、彼女のどうしてもの予定でこの週末が会えなかったことも悪かっただろうけどね

なに、今まで通り、いつも通りの彼女がようやく出現しただけのこと。2ヶ月とはずいぶん遅かったから、彼女を随分と自由にできたのは大当たりだったと言えるんだぞ

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# by blanche-bateau | 2014-10-19 23:20 | Comments(0)

誰にでも相談できることじゃ、ないから』電話の向うで彼女は言った

まだ親には何も言ってない(本当に何も、らしい)というのに、ここまで聞いているぼくは一体何だ

夕方、元関係会社の彼女から電話があった。5日に突然電話があってから、1週間ぶりだった
先週の話だと、彼女は最近、週末になるたびに男の部屋に泊りに行って次の日もずっと一緒に過ごしてるという話し…

今朝も11時位に起きたのにカレシはあくびして凄い疲れてて…と愚痴る彼女に、「ヤリ過ぎじゃないのか?」とぼくは嫌味の一つも言ってみたけど、『そんなことはありません』と軽く流された

来月は沖縄に二人で行く予定になってるけど、と去年僕等が仕事をしていた時には考えられないくらい、きみはフルオープンで話すけど

ぼくも男なものですから  毎週末、きみが泊まりにくるのを自由にしてる男の肩は持てないですよ、正直言って

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# by blanche-bateau | 2014-10-13 01:40 | Comments(0)